フランスを中心とした西欧の台所の変遷からみる住宅の近代史。
19世紀のパリのアパルトマンや、使用人のいる上流階級の住宅の台所から、C.ペリアン、P.シャロー、レンゾ・ピアノら建築家が手がけた台所など、フランスを中心とした西欧の台所の変遷からみる近代史。
家事労働の能率化によって獲得した時間と、機能的でコンパクトになり、合理化されたことにより失われた空間を問う。
キュイジーヌ
フランスの台所近代史
3,500円(+税10%)
ISBN:9784306047037
刊行:2024年1月
- ミシェル・ブラスによる序文
- 序章
- 1 はじめに
- 2 本書の趣旨
- 3 研究の方法
- 第1章 台所空間の縮小化——失われたテーブルと椅子
- 1 進歩として扱われる移動可能なセンターテーブルの消失
- キッチン・カード:ビーチャー姉妹とアンクルトムの台所
- 2 フランス20世紀初頭の台所の建築的レシピ——類型の多性様
- キッチン・カード:パリにおけるブルジョワのアパルトマンの台所
- キッチン・カード:慈善財団の台所
- 3 台所の建築的レシピ 1920〜1930年——モデルの発明と展開
- キッチン・カード:リリアン・ギルブレスによる有名な台所
- 4 建築家たちのライバル意識——モデルの伝播とテイラーリズムの普及 1920〜1930年
- キッチン・カード:かの有名なフランクフルト・キッチン 1926年
- キッチン・カード:最小限の台所の大コンペティション——フランクフルトCIAM 1929年
- キッチン・カード:パリ市の台所のタイプ 1920〜1930年
- キッチン・カード:ヴィラE1027の台所 1926〜1928年
- キッチン・カード:ピエール・シャローとガラスの家の台所 1928年
- キッチン・カード:ルイ・エルマン・ドゥ・コニンクの「合理的」な台所 1930年
- 5 アナザー・レシピ:ユートピア、余暇における居住環境
- キッチン・カード:モスクワの共同サービス付きの小さな台所
- 第2章 窓がなくなりリビングに開かれた台所
- 1 窓がなくなりリビングに開かれた台所
- キッチン・カード:ユニテ・ダビダシオンの台所 1947〜1952年
- 2 戦後の台所のレシピ——ベビーブーム期における標準化
- 3 建築家の役割
- 4 シャルロット・ペリアンの多彩な台所
- キッチン・カード:ベビーブーム期の台所の標準型
- キッチン・カード:1950年代のアメリカの台所
- キッチン・カード:1950年代のスェーデン・キッチン
- キッチン・カード:ボロ邸の台所 1959年
- 5 1950年代の建築モデルは存続する
- キッチン・カード:1960~1970年代の台所
- キッチン・カード:デザイナーとキュイジニストの台所
- 第3章 獲得した時間と失われた空間を求めて
- 1 時間との闘いのなかで何を獲得したのか
- 2 獲得した時間、失った空間、食事の準備
- 3 20世紀の男性、女性、子ども、そしてキッチン
- 4 歴史の教訓
- 5 今日の問い
- 6 結論
- 付録 今日のキッチン・カード
- キッチン・カード:座るためにフランクフルト・キッチンより1m2広く
- キッチン・カード:3つのドアのある台所
- キッチン・カード:リビングキッチン
- キッチン・カード:バルコニーとリビングに面した、付属室のある台所
- キッチン・カード:台所——設備を埋設した壁
- キッチン・カード:中庭に面したテラスと窓のある台所
- キッチン・カード:2003年のリビングキッチン
- 注釈/参考文献
- 解題 「19~20世紀の日欧における台所近代化」須崎文代
- 訳者あとがき